〜Shinのバグハウス講座 重要なマス〜

By Shin Uesugi

皆さんこんばんわ!Shinは大学最後の追い込みで
少し忙しく、このHPも約2週間ぶりの更新となりました。
今回の更新では、禁断の遊びで扱ったバグハウスに
ついて、もっと踏み込んだ内容を書いていきたいと思います。

このレッスンのテーマは「重要なマス」。バグハウスでの
攻めの起点となる重要なマスの攻め方と守り方を、
図を使って初心者にも分かりやすいように説明していきます。

死のマス: f2とf7

Shinのチェス入門でも触れましたが、キングでしか
守られていないf2とf7のマスは、持ち駒が使える
バグハウスでは更に気を付けなければならない
重要なマスです。特にビショップナイトを犠牲にして
チェックメイトを狙ってくる攻めはとても強力で、
守り方を知らないとほんの数手で負けてしまう
こともあります。まずは、図で見てみましょう。

ちなみにバグハウスでは先手の白番が攻め、
黒番が守るという展開になりやすいため、この
レッスンでは白が重要なマスを狙い、黒は
それを防ぐということに焦点を当てています。

~ビショップで死のマスを攻める例~

@(アット) => 持ち駒を打つ際に使われる棋譜記号

1.e4 e5
2.Nf3 Nc6
3.Bc4 Nf6??



4.Bxf7+!! Kxf7
5.Ng5+ Kg8
6.P@f7+ Ke7
7.N@f5# 1-0



5...Kg8ではなくKg6と逃げても、6.P@f5+からの
攻めが非常に強力で、黒はメイトから逃れる術が
ありません。チェスなら指して問題ないはずの
3...Nf6も、持ち駒が使えるバグハウスでは
自殺行為です。ナイトとポーンを打つだけで
チェックメイトできるこの手筋はハメ手のような
もので、Shinはこれで何度も勝ったことがあります。
次は、f7をナイトで攻める例を見てみましょう。

~ナイトで死のマスを攻める例~

1.Nf3 Nc6
2.Ng5 Nf6?
3.Nxf7!! Kxf7
4.N@g5+



ナイトで死のマスを攻める手筋も非常に強力です。
ここで黒は4...Ke8やKg8と逃げてもP@f7でメイトされ、
Kg6と中央に出てきても長くは続かないでしょう。
?マークを見れば分かると思いますが、どちらの
ケースもNf6と指す手が敗着になっています。
特にビショップで死のマスを攻める例では、Nf6と
指したせいでクイーンの利きを塞いでしまい、
Ng5+を許してしまったのが問題でした。



さて、黒番でどうやって死のマスを守るかですが。。。
Shinは、バグハウスを始めたばかりの頃は、
キングサイドのナイトの展開を遅らせ、
e7-e6と組む方法をお勧めします。



ご覧の通り、ビショップでの攻めはe6のポーンに
よって完全に止められています。ナイトでの攻めも、
クイーンとc6のナイトがe5とg5をしっかりカバー
しているため、例えここで白が3.Nxf7としても
その後が続かず、黒はP@f6などとして守りを
固める余裕が生まれました。

キングサイドのもう一つの急所: g2とg7

この記事で扱うもう一つの重要なマスは、
fポーンの隣、g2とg7のマスです。初期配置では、
これらのマスはビショップによって守られていますが、
f1とf8のビショップは攻めを狙うために展開する
ことが多く、g2とg7ががら空きになるのはよくあることです。
ではまず、これらのマスの攻め方を見てみましょう。

~見つけにくいがそれだけに強力!N@h5~

一般的に盤の端にいるナイトは良くないと言われますが、
バグハウスではその常識をひっくり返す手筋が存在します。

1.e4 e6
2.d4 Nc6
3.Nc3 Nf6
4.Nf3 Bb4



5.Bd3 b6?
6.e5 Nd5
7.N@h5!!



白はc3の当たりを無視し、N@h5から攻めを狙います。
黒はNxc3からクイーンサイドの駒を取っていくことができますが、
Nxg7+からの攻めが非常に早く、受け切るのは
至難の業です。g7を守る一般的な方法はRg8や
B@f8などですが、前者に対してはBxh7、後者には
P@h6などとして更に攻めを続ける手筋があり、
この時点で黒敗勢と言っても過言ではないでしょう。
N@h5のような強力なナイト打ちが存在するのを
知っていれば、黒は5...b6?などといった悠長な
手を指す暇がないということがよく分かると思います。

これに対しての守り方ですが。。。
Shinのお勧めは、d3のビショップの利きを
塞ぎ、Rg8と守る手を可能にする方法です。
その1例が、早めにd7-d5と指し、Ne4と
指す手です。例えば5手目に...b6?では
なくて...d5と指してみましょう。

5.Bd3 d5
6.e5 Ne4
7.N@h5 Rg8


5..d5から進んだ形

Bxh7という手筋がなくなったので、Rg8として
g7の地点を守ることができました。この局面から
白が8.P@h6として更に攻めを狙っても。。。

8.P@h6 P@g6!!
9.Nxg7 Kf8



このように、ナイトがg7、ポーンがh6にいる
局面では、白が攻めを続けるのは非常に
困難です。このタイプの局面では、白はビショップを
h6に配置し、g7のナイトを動かす
ディスカバードアタックを目指すのが一般的ですが、
h6のポーンが邪魔になってしまっています。
g7のナイトは退路を断たれ、g7に駒を打ち込む
ことができない白は、主導権を失ってしまったと
言える局面でしょう。

N@h5を防ぐもう一つの方法は、早めの
ビショップ打ちです。例えば5手目の時点で
ビショップを持っていたなら。。。

5.Bd3 B@h5!(またはg4)



ナイトの打ち場所をなくすことで、N@h5という手を
防いでいることが分かるでしょうか。黒はf3のナイトを
ピンしたおかげでNxd4などとする手も生まれ、
色々と楽しみがあるポジションです。

このレッスンでは、バグハウスで特に狙いやすい&
狙われやすい、「重要なマス」を見ていきました。
短手数で負け、パートナーに愛想をつかされない
ように、最初の内はこれらのマスの安全を
確保しながら指していきましょう!

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