〜ICCマニュアル: ICCで快適にチェスを指そう!〜

By Shin Uesugi

皆さんこんにちは!今回はShinがトレーニングで利用している、
Internet Chess Club (ICC)のマニュアルを作成してみました。
日本のプレーヤーの間ではChess.comなどがポピュラーですが、
対人戦のクオリティーで言えばここが一番良いでしょう。
このマニュアルはWindowsでのICCのインターフェース、BlitzInの使い方について言及しています。
Macをお使いの方は申し訳ありませんが、対象外となっています。
最近Macでのインターフェースが作られたようなので、そちらをチェックしてみてください。
Shinは、読者の皆さんがこのマニュアルを使ってICCに登録したことによって
起こったトラブルなどの責任は負いかねます。ShinはICCを長く利用していますが、
今までトラブルが起こったことはないので、まあ大丈夫でしょう。

~目次~

マニュアル1. ICCとは?

マニュアル2. ICCの魅力

マニュアル3. 無料期間に登録!

マニュアル4. BlitzInをダウンロード

マニュアル5. BlitzInを立ち上げよう!

5.1 Seekグラフ

5.2 Info

5.3 イベント

5.4 メインコンソール

マニュアル6. これさえあれば怖くない!ICCでよく使うコマンドTOP5

マニュアル7. いざ、ICCへ

マニュアル8. 最後に

マニュアル1. ICCとは?



ICCとは1995年にアメリカで立ち上げられた、有料の対人チェスサイトです。
チェスサイトの中では老舗と言える感じで、公開されてから20年弱立った今でも
国際タイトルを持ったプレーヤー達が毎日熱い戦いを繰り広げています。
ただし、ICCでは日本語入力やチャットなどができません。
英語がある程度できるのが理想ですが、一ヶ月の無料期間があるので、
それを試してみて気に入ったのなら有料版に移るというのがいいでしょう。

マニュアル2. ICCの魅力

ICCの魅力は、何と言ってもプレーヤー&対局のレベルの高さでしょう。
常時国際タイトルを持っているプレーヤーが対局しているので、それを見るだけでも
すごくいい勉強になります。Shinがまだレート2000未満だった頃は高レート
対局をよく見てて、それによって棋力が爆発的に伸びた経験があります。
そして、レートを上げていけば、世界のトッププレーヤーと試合ができることも。。。!?



上の画像は世界ランキング7位、日系アメリカ人のGM Hikaru Nakamuraと
対戦した時のものです。強すぎて、今のShinでは手も足も出ませんでしたw
他にはGMやIM達が作っているビデオレクチャーや、作成したプロブレムを投稿したり、
他のプレーヤーが作ったプロブレムを解くことができるProblemBotなるものがあります。
更に、ICCでは毎日様々なトーナメントが開かれています。Shinが特に気に入っていたのは
二ヶ月に一度開かれるMarathon(マラソン)というもので、指定された24時間の
内に開かれ続けるトーナメントで、合計何ポイントを取ったかというのを競います。
優勝者にはICCの会員権を二ヶ月延長、2位と3位には一ヶ月延長といったように
賞品(!?)も出たので、Shinは予定が開けば毎回参加していました。


マニュアル3. 無料期間に登録!

では、実際にICCの無料期間に登録してみましょう。
このアカウントは、一ヶ月が経つと使えなくなり、使い続けるなら有料会員になる必要があります。



これがICCのホームページですね。赤線で囲まれた"Register"の部分をクリックするか、
マニュアルの上の方にあるICCのリンクをクリックすると、無料期間の登録ページに移ります。



First Name = 名前
Last Name = 苗字
Email Address = メールアドレス
ICC Username = 希望するユーザーネーム
Password = パスワード
Confirm Password = パスワードを再入力
Sign Up for Newsletter = ICCメルマガに登録するか否か
I have a FIDE title = 国際タイトルを持っているか否か
This account is for a computer chess program
or for playing with computer assistance.
これはコンピューターエンジンを使ってプレーするか否か。
この項目は自分でチェスプログラムを作った人のテスト用のアカウントでしか
チェックを付ける必要がないので、一般のプレーヤーはチェックを付けないようにしましょう。
フォームを書き終えてSubmitボタンを押すと、登録したメールアドレスに確認メールが届きます。
そのメールに付いている確認リンクを押せば、無料期間の登録完了となります。

マニュアル4. BlitzInをダウンロード



登録が完了したなら、インターフェースをダウンロードしましょう。
赤線で囲まれた"Download"の部分をクリックすると、ダウンロードページに飛びます。
今回のマニュアルはBlitzInが対象なので、ダウンロードページの一番上にある、BlitzInを選びましょう。



これでBlitzInをダウンロード、インストールすれば準備完了です。
前にも言ったように、ICCは日本語に対応していないので英語でインストールすることになります。

マニュアル5. BlitzInを立ち上げよう!

では実際にBlitzInを立ち上げてみましょう。まず最初にTips of the Dayというものが
出てきますが、あまり関係ないので閉じましょう。その後に、ログインダイアログが出てきます。



ユーザーネームとパスワードを入力してSignInボタンを押せば、ログインすることができます。
もし何かの拍子でダイアログを閉じてしまっても、左上のFile->New Connectionから
ログインダイアログを復活させることができるので、心配する必要はありません。



ログインしたら、色々なウィンドウがでてきましたね。簡単に説明すると、

1.Seekグラフ・・・対戦相手を募集しているプレーヤーと、対局の持ち時間。
2.Info・・・最新のビデオレクチャーや、ICCで中継されている大会のスケジュールなど。
3.ボード・・・そのまんまですね。
4.イベント・・・ICCで行われているイベントの情報が載っています。
5.メインコンソール・・・トーナメントの参加者募集や、高レート試合の情報など。
これらのウィンドウは誤って閉じてしまっても、BlitzIn上部にあるアイコンをクリックすればまた出てきます。
では、ボード以外の4つがどんなものなのかを見てみましょう。

マニュアル5.1 Seekグラフ

少し大きな画面で見てみましょうか。



Shinが赤線に囲まれている青い丸の上にカーソルを当てると、下に色々と出てきました。
これは、blikというコンピュータープログラム(カッコ内のCは、コンピューターを表している)が、
5分+0秒のブリッツ(レーティング戦)で対戦相手を募集してるということです。
ちなみにグラフには色々な色の●がありますが、青=コンピュータープログラム、
緑=人間と覚えておくくらいでいいでしょう。

ICCには様々なレーティングシステムがあって、持ち時間3分未満のBullet、
3分以上15分未満のBlitz、15分以上のStandard、そしてプール(後述)のレートがあります。
このSeekグラフから指された試合のレートはBullet、Blitz、またはStandardレートを使って計算されます。

マニュアル5.2 Info



これがInfoウィンドウですね。ウィンドウ左側には、最新のビデオレクチャー情報が載っています。
無料期間の人は、最初の5分くらいまで見ることができ、有料会員になった瞬間から全て見ることができます。
ウィンドウ右側には、ICCで中継されている大会のGame Of The Dayのビデオに飛ぶリンクがあります。
例えば赤線で囲われているのは、現在行われているFIDEグランプリの第4ラウンドの
ベストゲームを、オーストラリアのGM Smerdonが30分ほどのビデオで解説しているものです。

マニュアル5.3 イベント

ICCを使う上で、外せないのがこのイベントウィンドウです。拡大してみましょう。



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(i)というアイコンを押せばその項目の情報が、目のアイコンを押せば試合が、
そして矢印のアイコンを押せばその項目自体が見られると覚えておけばOKです。
ここで、プールというものが何なのかを説明しますね。
例えばShinがイベントウィンドウの「Play a 5-minute game」の左にある矢印アイコンを押します。
そうすると、Shinは5分の試合を指したい他のプレーヤー達がいる「プール」に入れられます。



そこからICCがレートの近い者どうしをマッチングするというのが、ICCの「プール」システムです。
ICCには合計6つのプールがあり、それぞれに独立したレートが付きます。
これらのレートは前述のBullet、Blitz、Standardレートに比べ、低めとなる傾向があるようです。
例えば3分プールの最高レートが2700辺りなのに対し、Blitzの最高レートは3400ほどあります。

マニュアル5.4 メインコンソール



これがメインコンソールを拡大したものです。少しごちゃごちゃしていますが、
GMやIMなどが対局していたら、ROBOadminというプログラムがそれを知らせてくれたり、
TomatoやOliveというTDがトーナメントの参加者を募集したりしていますね。
ICCのコマンド(後述)は、基本メインコンソール下部に打ち込んで実行します。

マニュアル6. これさえあれば怖くない!ICCでよく使うコマンドTOP5

ICCを満喫するためには、ICCのコマンドを知ることが必要不可欠です。
が、ICCのコマンドはかなりの数があり、全てを把握するのは難しいでしょう。
コマンドの簡単な説明はコンソールに「help commands」と打てば出てきますが、
このマニュアルではShinが普段よく使っているコマンドを紹介していきます。

1.match (or m) - 他のプレーヤーと対戦するコマンド。
使用例 - match HSNIDALEEGG 5 0 r
これで、Shin(ICCではHSNIDALEEGG)に5分ブリッツのレーティング戦を挑むことができる。

2.tell (or t) - 他のプレーヤーとチャットをするコマンド。
使用例 - tell HSNIDALEEGG Hi!
これで、Shinに「Hi!」と伝えることができる。
裏ワザ - 「.(ピリオド)」を使えば、何度もtellを使う必要がなく、同じ相手と楽に喋ることができる。
使用例 - . Mou Ikkai!
これで、Shinに「Mou Ikkai!」と伝えることができる。違う相手と話すなら、またtellを使おう。

3.examine (or e) - 検討用のボードを出すコマンド。
使用例 - examine
これで検討用のボードが出る。自分が指した試合を検討したいのなら、
後述のhistoryを使うことによって楽に検討することができる。

4.history (or his) - 自分、または他の相手の過去20試合を見るコマンド。
使用例 - history HSNIDALEEGG
これで、Shinの過去20試合を見ることができる。自分の試合は、hisとタイプするだけで見える。



試合を右クリックすると、色々とコマンドが出てくるが、重要なのは:

  • examine - 試合を検討することができる。

  • libappend - historyは20試合以上保存できないので、これを使って自分の
    ライブラリーに試合を保存する。タイトル保持者に勝った試合などを記念に保存している
    プレーヤーが多い。自分のライブラリーはliblist (or lib)と打てば見ることができる。

  • save PGN - 棋譜のPGNファイルを自分のコンピューターに保存することができる。

  • 5.finger (or fi) - プレーヤーの情報を見るコマンド。
    使用例 - finger HSNIDALEEGG
    これで、以下のようなものが現れる。



    ここに出てきたのはShinのレートと、Shinが自分でセットしたメッセージ。
    メッセージは10個まで書くことができ、setというコマンドを使うことで設定できる。
    使用例は、set 1 Hi!など。メッセージを消したい場合は、set 1と打つと1行目の
    メッセージが削除される。ホームページやブログを持っていたら、ここで宣伝することもできる。

    マニュアル7. いざ、ICCへ

    ICCを気に入ったのなら、いよいよ有料会員になる時です。



    ICCの会員権の値段は以下の通り:

  • 三ヶ月 - $24.95

  • 六ヶ月 - $39.95

  • 一年 - $69.95

  • 二年 - $124.95

  • 学生、または21歳以下の方は学生証か年齢を証明するものの写真を撮って、
    それを添付したメールをbriansp(アット)chessclub(ドット)comに送れば、
    会員権の有効期間が2倍に延長されます。実質半額ということですね。
    メールのタイトルはICC Student Discount。本名、ユーザーネーム、生年月日を書いておく必要があります。
    ちなみにShinは一年間の会員権を買って、学割で二年間まで延長しています。


    マニュアル8. 最後に

    ここまで長々とお付き合い頂き、ありがとうございました。
    ICCは日本ではあまりポピュラーではないですが、世界ではかなり高い知名度を誇るサイトです。
    それに恥じないクオリティーのサービスと強くなるためのツールが提供されているので、
    是非一度登録してみることをお勧めします。現にアメリカでは、このサイトで何千、何万という試合を
    こなしたことによってGMになったプレーヤーもいます。日本人の有名なプレーヤーでは、
    今年の全日本チャンピオンである池田惇多君がICCで結構プレーしているようです。
    Shinはトーナメントからは遠ざかっていますが、ICCを利用することによって
    トーナメントに出なくても強いプレーヤーと指すことができてます。
    日本にも、このマニュアルを読んでICCでプレーする人が増えますように。。。

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