By Shin Uesugi

皆さんこんにちは!今回は、皆大好き全日本チーム選手権に
ついて、Shinが思ったことを書いていこうと思います。

~目次~

プロローグ

全日本チーム選手権とは?

参加資格は?

常連、OB、OGとは?

何が問題なの?

Shinの考察

アメリカでは

Shinのアンサー

最後に

話は少し遡って。。。

~8:00AM~

Shinはアメリカに住んでいるため、毎日日本チェス界の
話題が出尽くす、日本時間でいう深夜に起きてきます。
起きた直後にiPhoneでツイッターアプリを開き、
色々と情報をチェックするのが日課になっていますが、
今日(7/29)起きたら以下のようなものが目に入ってきました。



あまりにもツイッター画面がこの話題一色になっていたので、
何事だろうと話題の始まりから投稿を見てみると、
どうやら今年の全日本チーム選手権について話しているようでした。

~全日本チーム選手権とは?~

全日本チーム選手権とは、簡単に言えば4名(+補欠2名)で
組まれたチームが戦うというものです。ただ、JCAが参加資格や
チーム編成、及びその名称などの制限を設けているため、
ツイッターで書かれているような不安や混乱を生んでしまっています。
今回はそれを見たShinが、「何故こんなことになってしまったのか」、
「この状況を改善するアイデアはあるのか」、などということを、
自分の経験を元にしながら書いていきます。

~参加資格は?~

今年の全日本チーム選手権の、参加資格は以下の通りです。

2013年度9月1日時点でJCAにクラブまたはサークル(以下、CCと略す)
として登録している団体が参加できる(CHESS通信より)

JCA事業部に都市代表希望として申し込めば、
JCAが都市代表チームを編成してくれるそうですが、
大体はクラブかサークルから出場することとなるでしょう。
Shinの記事では、これから「クラブかサークル」を、
「クラブ」として書いていきます。

~常連、OB、OGとは?~

クラブは優勝を狙うために、今まで活動に参加していない
強豪プレーヤーをゲストとして呼ぶ可能性があります。
それを防ぐために、JCAは「クラブの常連、OB、OGが出場できる」
という規則を作りました。常連、OB、OGとは同じものを指していて、
全日本チーム選手権が開かれる前の1年間(ここでは
9/1/12~8/31/13)の間で、そのクラブの活動に1度でも参加
したことのあるプレーヤーです。このルールは、1年間で
1回だけ活動に参加すればそのクラブの常連メンバーとして
認められるため、プレーヤー達にとってチーム選手権に
出場する敷居が低くなったと言えます。ネット活動などの抜け道
がありそうで、それはそれで問題が起きるかもしれませんが。。。

~何が問題なの?~

今回の件で、不満や混乱を生んでいるのは、
「JCAにクラブとして登録している団体が参加」と、
「チーム選手権に出場するチームの名称」についての
記述のせいかと思われます。JCAにクラブとして登録
するためには、登録費と年会費をいくらか払う必要があり、
それに見合ったメリットがあるかと言われればそうでもないので、
クラブ登録を見送っているクラブがあるのも事実です。
自分が所属しているチェスクラブで出場したいのだけど、
クラブ登録していないから参加できない。。。他のクラブ員として
出るくらいなら、いっそのことチーム選手権にすら出ない
といった方達が出てくる恐れがありますね。

JCAは、チーム選手権に出場するチームの名称に
ついて、かなりこだわりがあるようです。去年の
チーム選手権では、「ヤングアダルト」という、
プレーヤーの年齢をお題としたチームがありましたが、
名前が不適切ということで○○OBとして出場することになりました。
今年も方針は変わらないようで、○○CC、△△大学OBといった名称で
出場することが義務付けられているように感じます。

~Shinの考察~

Shinは、今回の件はJCAとプレーヤー間での、
この大会の捉え方の根本的な違いが生んだもの
だと感じました。JCAは、チーム選手権を、ジュニア選手権や
女子選手権などといった他の全日本選手権として捉えている風に
見えます。いわゆる「全日本クラブ選手権」として開催したいのではないでしょうか?
日本一のチェスクラブを決めたいのだから、「ヤングアダルト」みたいな
チェスクラブなのかどうかも分からない名称のチームには参加して
もらいたくないし、他の選手権に出る選手はJCAに登録しているのが
当たり前だから、クラブ選手権に出るクラブもJCA登録しているべきだ、
というJCAのスタンスに合っていると思います。それにしては、
他の選手権の記録が載っているJCAの国内大会記録に
チーム選手権の記録が載っていないのと、
名称が「チーム」選手権なのは変ですよね。

プレーヤーの中には、JCAと違うチーム選手権の捉え方を
している人達がいます。「全日本チーム選手権」とは
年に一度のお祭りのような大会で、自分の好きな人達と
チームを組みたいし、好きな名前で参加したい。
自分達はJCAの会員なんだから、JCA主催のこの大会に
参加する権利があるはずだ!といった人達ですね。
彼らはJCAと違い、チームを「4人(+補欠2名)の
チェスプレーヤー達」と、Shinが全日本チーム選手権とは?の部分で
説明したものとして捉えています。そもそも大会の名称が
全日本「チーム」選手権なので、こちらの捉え方が
Shinからすると自然に見えます。

~アメリカでは~

Shinは、ロシアほどではないですが、それでも日本より
チェスの文化が発達しているアメリカでずっとプレーしてきました。
当然、チーム選手権に出場したことは何度もあります。

アメリカでは、毎年US Amateur Teamという大会がアメリカの
東西南北で開かれ、当時Shinが東海岸に住んでいた時は
4つの中で最も大規模な大会、US Amateur Team Eastに
出場していました。Amateurと銘打っていますが、GMなども
参加しています。制限はレーティングのみ。基本的には
4人の平均レーティングが2200未満ならオッケーです。

この大会は、アメリカチェス界の年に一度のお祭りのような
もので、出場者が大会を楽しめるように様々な工夫がなされています。
例えば毎日変則的なチェス大会が開かれたり。
下の画像は、2009年の
バグハウスの大会で、
ShinのチームがGM Robert HessとGM Marc Arnold(当時はIM)
のチームと対戦しているところです。観戦者も遅くまで起きていて、
大変賑わっていました。



他には最もセンスのあるチーム名を決める、チーム名選手権みたいな
ものがありました。2007年にはShinと男友達一人、女友達二人で
組んだチームに「Boys and Girls Looking For Mates」
という、男2女2のチーム構成と、Matesの二つの意味、
「配偶者」と「チェックメイト」をかけた名称を付けて、チーム名選手権で
準決勝ぐらいまで行ったことがありました。この大会は勝敗そのもの
よりも、チェスを題材とした楽しいイベントといった印象が強かったですね。

アメリカはとても広いしクラブも多いので、クラブ選手権のような
ものはあまり見かけたことがありません。それでも、一つの地区での
高校対抗のボード戦などはあって、それらの大会では当たり前ですが、
その高校に通っていないと出場できません。ただ、高校のクラブが
アメリカのチェス協会に登録している必要はありません。アメリカでは、
チーム戦がいくつも開かれているので、お祭りのような
「楽しい」大会と、高校対抗戦のような「シリアスな」大会の
メリハリがついているんだと思います。

~Shinのアンサー~

日本では、地方のクラブがチーム戦の大会を開いて
いることがありますが、毎年コンスタントに行われている
チーム戦の大会は、全日本チーム選手権のみでしょう。
考察で書いたように、Shinはこの大会の名称が
「チーム」選手権にも関わらず、JCAがこの大会を
「クラブ」選手権と捉えているから混乱が生まれたと思っています。

ここで、Shinならどうやってこの問題を解くかというのを書きます。
一つ目は、JCAが新たに「全日本クラブ選手権」という大会を主催し、
JCAに登録しているクラブでの日本一を決める。そして、
「全日本チーム選手権」を前述のUS Amateur Team East
のような、JCA所属のプレーヤーが好きな人と組んで、
好きな(良識のある)チーム名を付けれる、レーティング
制限を設けた大会として主催するというもの。

日程や会場の事情もあり、新たにもう一つの大会を主催
するのは難しいかもしれません。もし、年に一度しかチーム
選手権を開けないのであれば、チェスの普及(大会の
楽しさを伝えるなど)という面から見て、今のJCAの
制限だらけのチーム選手権より、レートの制限だけを付けた、
フリーダムで楽しいチーム選手権を主催したほうがいいと思います。
なので、Shinの二つ目のアンサーは、前述の
「全日本チーム選手権」をJCA所属のプレーヤーが
好きな人と組み、好きなチーム名を付けれるようにし、
レーティング制限を設けた大会として主催するというものです。

中には、「○○チェスクラブで参加することはできるけど、
このチェスクラブってレベル高いんだよなぁ。自分と友達が
組んで出るなら気楽だけど、なんかここで出たら
足引っ張りそうで怖いから、出るのやめとこうかなぁ」
といったプレーヤーもいるかもしれません。チーム戦は
一般の大会と違ってチームメイトを心から応援できる分、
他の大会と比べて観戦者視点からでも
とても楽しいものなので、この大会は排他的ではなく、
開放的なものであってほしいですね。

~最後に~

Shinの考察は、ここで終わりです。ツイッターを見る限り、
JCAと直接コンタクトを取ろうという方がちらほらいたので、
今年のチーム選手権がどんなものになるか、楽しみですね。
真相は単に「クラブ登録を絶対とすることで、登録費と
年会費でJCAが潤う
」という可能性もありますが、
それだと記事が数行で終わって面白くないので、それっぽくて
説得力があるんじゃないかという考察を書きました。
それでは皆さん、次の記事まで、おや、誰か来たようだ。。。

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