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中央を支配する


序盤の指し方には3つの重要なコンセプトがあり、その中の一つが、「中央を支配する」ことです。

チェスの駒は性質上、中央に配置されている時が最も移動範囲が広くなります。
その最もいい例として、ナイトの移動範囲を見てみましょう。



d5にいる白ナイトは、8ヵ所に動くことができ、キングサイドとクイーンサイド両方に狙いを付けています。 更に、敵陣に切り込んで行ったり、自陣に戻って守りを固めたりすることもでき、非常に活躍の期待できる駒と言っていいでしょう。
それに対してh5にいる黒ナイトは、白ナイトの半分の4ヵ所にしか動けず、キングサイドでの活躍しか望めません。 中央にいる白ナイトと盤の端にいる黒ナイト、どちらがいい駒なのかは一目瞭然です。

中央のポーンを進め、中央の重要なマスをコントロールし、相手の駒を中央に配置させないように 指すのが、良い序盤の指し方です。実際に見てみましょう。



白のe4とd4に並んでいるポーン達は、矢印のように中央の要所を押さえ、相手の駒を中央の良い位置に 動けないようにしています。その反対に黒は端のポーン達を進め、中央の支配を完全に放棄しているのが 分かるでしょうか。これを利用して、白は中央の良い位置に駒を配置することができます。

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